「百姓の原点は土作り」と言っても過言でない。私たちが作っているカーネーション栽培も土作り基本だ。近年、近隣の同業者の温室を覗いても、カーネーションの出来はソコソコでも、何か変。そうです。カーネーションの木を見ても元気がない感じがする。そんな自分も、たった二十年あまりしかカーネーション栽培に従事していない若僧である(・・?なに生意気なことと思うかもしれないが。率直に感想を述べれば、そう言うことになる。何十年と同じ場所で、同じ土でカーネーションを作っているから、土自体が疲れているのも事実。当然といえば当然か。ピートモス（針葉樹林の枯れ葉）や各肥料メーカーが販売している堆肥。はたまた、それぞれの有機肥料を投入している。何でも、お金をかけて楽な方へ楽な方へと向かって行った。当園もその一人だ。カーネーションはグングンと伸び、今まで通り出来ているが、カーネーションの株元を見ると今まで見たく根っ子が地の底までがっちと張っていない。ちょんちょんと引っ張り上げると抜けてくる始末。そんなことで、当園は数年前から、もう一度土作りの原点に返り、知り合いの繁殖和牛農家から堆肥を貰ってきて、土作りをはじめた。これは、かなりの手間と労力が必要とされる。正直、根気がいる作業。でもでも、あきらめない。パリッと、凛々しい花を咲かせるためには、土作りからだと思う。
